「田中さん、午後は空いてる?」「第1会議室、いま誰か使ってる?」。こうした確認を、口頭やチャットで毎日のように重ねていないでしょうか。
Googleカレンダーを使えば、この2つの確認は画面の上だけで片づきます。
昨日の記事は、1つのGoogleアカウントに全員でログインしている会社に向けて書きました。会議室ごとにカレンダーを作り、予定のゲストに加えて「招待された日時が空いていれば自動承諾する」を選ぶ方法です。全員が1つのアカウントを共用している会社は、こちらを先にご覧ください。
https://up-on.jp/google-calendar/
今回の記事が対象にするのは、社員1人につき1つのGoogleアカウントを持っている会社です。

掲載している画像は、すべて本物のGoogleカレンダーの画面です。撮影には個人のGmailを使いました。管理者が会議室を登録する画面と、予定へ会議室を足す画面は、個人のGmailには表示されないため、画像がありません。この2か所は、公式が使っている画面の名前を頼りに、文章だけで説明します。
1 まず結論から
結論はこうです。やることは3つ。順番は、共有、空き確認、会議室の予約です。
①社員に渡す共有の権限を、1人ずつ決める(2章から4章)
②空いている時間を、相手に聞かずカレンダーで探す(8章)
③会議室を予約して、同じ時間の二重取りを防ぐ(7章から9章)
会議室の登録だけは、管理者にしかできません。管理者へそのまま送れる依頼文を、7章に置きました。
ここから先の手順は、仕事用・学校用のアカウントを前提にしています。@gmail.comの個人アカウントをお使いの方は、先に14章を読んでください。
2 共有の権限は5種類。誰にどれを渡すか先に決める
結論です。権限は5種類あります。迷ったら、まず「予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)」を選んでください。
5つの選択肢は、画面では次の順に並びます。実際の並びは、4章の画像で確かめられます。
予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示) 埋まっている時間帯だけが相手に見えます。予定の中身は見えません。
予定の詳細の表示 題名や場所まで見えます。筆者が個人のGmailで作った新しいテスト用カレンダーの画面では、共有の画面を開いた時点で、最初に選ばれていたのがこの権限でした。
変更(限定公開の予定を予定の有無として表示)ができ… 上から3番目の選択肢です。画面では文の途中で省略されています。限定公開の予定は、入っているという事実だけが見えます。
すべての予定の詳細の変更や表示ができます 上から4番目の選択肢です。相手は予定を編集できます。
予定の変更および共有の管理 予定を直せるだけでなく、共有の設定そのものも変えられます。
公式ヘルプの呼び名は、画面に出る言葉とやや違います。この記事は、画面に出る言葉で統一しました。
以下は筆者の提案で、公式が定めた使い分けではありません。
①チームの全員には「予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)」を渡す。空き時間を知るだけなら、詳細は不要です
②日程を調整してくれる同僚や上司には「予定の詳細の表示」を渡す
③事務の担当者には、上から3番目か4番目を渡す
④「予定の変更および共有の管理」を渡す相手は、任せられる1人だけに絞る
3 共有の初期値を決めているのは管理者
結論です。共有の初期値は管理者が決めており、あなたが共有できる範囲もその設定で変わります。管理者でない方は、次の1行を送れば用が足ります。
Googleカレンダーの内部共有オプションは、いま何が選ばれていますか。社員同士で空き時間を見られるようにしたいです。
管理者は、管理コンソールで「アプリ」→「Google Workspace」→「カレンダー」→「共有設定」と開きます。「メイン カレンダーの内部共有オプション」という項目で、次の3つから1つを選びます。
①共有しない
②空き時間情報のみ(予定の詳細は非表示)
③すべての情報を共有
ユーザーが自分で設定を変えていなければ、ここで選んだ値がそのまま使われます。最初にどれが選ばれているのかは、14章に書きました。
4 特定の人に渡す手順と、組織全体に見せる手順
結論です。やり方は2通りあります。特定の人に渡す方法と、組織の全員に見せる方法です。この記事では、パソコンのブラウザに出る画面で手順を説明します。
特定の人に渡す手順
①Googleカレンダーを開き、左の「マイカレンダー」で共有したいカレンダーにカーソルを合わせる
②その他のアイコンを押して、「設定と共有」を選ぶ

③設定の画面にある「共有する相手」の欄の「ユーザーやグループを追加」を押す

④「特定のユーザーと共有」という窓が開く。入力欄の名前は「メールアドレスまたは名前を追加」で、その下に「権限」の欄がある

⑤「権限」の欄を押すと、5つの選択肢が開く

何もせずに送ると、予定のタイトルや場所までが相手に見えます。空き時間だけを見せたい場合は、送信の前に、一番上の「予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)」へ選び直してください。
⑥5つの中から「予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)」を選ぶ
⑦「メールアドレスまたは名前を追加」の欄に、相手のメールアドレスを入れる

⑧「送信」を押す
⑨「共有する相手」の一覧に、相手と権限が加わったのを確かめる

組織全体に見せる手順
ここからは、仕事用・学校用のアカウントの画面での手順です。
①先ほどと同じ「設定と共有」の画面を開く
②「予定のアクセス権限」の欄を探す

この画像は個人のGoogleアカウントの画面なので、「一般公開して」で始まる項目が出ています。筆者が新しく作ったテスト用カレンダーでは、このチェックは最初から外れていました。入れる必要はありません。仕事用のアカウントでは、同じ場所に「(組織名)で利用できるようにする」が表示されます。
③「(組織名)で利用できるようにする」にチェックを入れる
④現れたプルダウンで、見せる範囲を選ぶ
同じ画像の下段にある「招待状の自動承諾」は、昨日の記事で使った設定です。
仕事用のアカウントでは、共有できるかどうかを管理者が決めます。「(組織名)で利用できるようにする」は、組織の中の人に向けた欄です。会社の外の人へ共有できるかどうかは、管理者の設定しだいです。また、共有を設定していなくても、管理者があなたの予定の詳細を確認できる場合があると、公式ヘルプに書かれています。
5 部署の予定は、専用の別カレンダーにまとめて置く
結論です。部署の予定は自分のカレンダーに混ぜません。別のカレンダーを1つ作って、そこに置きます。
①右上の歯車のアイコンを押して、「設定」を押す
②左側の「カレンダーを追加」を押す
③「新しいカレンダーを作成」を選ぶ
④「名前」と「説明」の欄を埋める。「タイムゾーン」はそのままで構わない
⑤「カレンダーを作成」を押す

名前の記入例は「営業部 共有予定」です。題名を見ただけで誰のカレンダーか分かる形にします。
作ったカレンダーの「設定と共有」を開き、4章と同じ手順で、組織全体または特定の人に渡してください。
6 業務時間と勤務場所を入れておくと、相手が予定を組みやすい
結論です。業務時間と勤務場所は、管理者が有効にしている場合に限って使えます。設定に出てこないときは、管理者へ次の依頼文を送ります。
Googleカレンダーの『業務時間と勤務場所』を有効にしていただけますか。社員の勤務場所を予定に入れたいです。
業務時間の入れ方
①右上の歯車のアイコンを押して、「設定」を押す
②「業務時間」を選び、「業務時間を有効にする」にチェックを入れる
③曜日と時間を入れて、「保存」を押す
勤務場所の入れ方
①右上の歯車のアイコンを押して、「設定」を押し、「業務時間と勤務場所」を選ぶ
②曜日ごとに場所を入れる。選べるのは「自宅」「オフィス」と、自分で書き込む場所
③「保存」を押す
スマホで見当たらないときは、パソコンで試してください。
7 会議室の登録は管理者の仕事。依頼文をそのまま渡す
結論です。会議室を登録できるのは管理者だけです。管理者でないなら、下の依頼文を送ってください。プロジェクターや社用車も、同じ形で登録できます。
管理者に送る依頼文の全文
件名も一緒に、そのまま貼って使えます。
件名:Googleカレンダーに会議室を登録していただきたいです
お疲れさまです。Googleカレンダーで会議室を予約できるようにしたいので、管理コンソールの『ビルディングとリソース』から、次の会議室を登録してもらえますか。
依頼者:(あなたの名前) 記入例:山田花子
登録してほしい会議室(建物、階、部屋名、人数の順)
①(本社3階 第1会議室 8名まで)
②(本社3階 第2会議室 4名まで)
③(本社3階 応接室 6名まで)
設備:(プロジェクター、ホワイトボード)
登録後、全員のカレンダーに表示されるまで時間がかかるそうです。表示されたらお知らせください。
( )の部分は、自社の内容に書き換えて送ってください。
管理者の手順
この画面は個人のGmailでは出ないため、画像はありません。公式の画面名だけで案内します。
管理コンソールで、次の順にたどります。
①「メニュー」
②「ディレクトリ」
③「ビルディングとリソース」
④「概要」
開いたら、次の順で追加します。
①ビルディングを追加する
②設備や機能を追加する
③会議室を追加する
この作業には、「ビルディングとリソース」の管理者権限が必要です。サービス管理者の標準のロールには、通常これが含まれています。追加した会議室は、たいてい数分で使えるようになります。全員のカレンダーに表示されるまでは、最長で24時間かかります。
8 会議室の予約は、先に空きを見てから入れる
結論です。予約は、予定を作る画面から行います。先に空きを見ておけば、取り直しの手間が減ります。
会議室を追加できるのは、仕事用・学校用のアカウントだけです。個人のアカウントの方は、14章へ進んでください。
会議室の空きを先に確かめる。入口は2つ
入口の1つ目は、スケジュールのグリッドです。
①カレンダーの画面から、スケジュールのグリッドを開く
②「絞り込み表示」を押す
③「会議室を表示」を選ぶ
入口の2つ目は、予定を作る画面の「時間を探す」です。社員の空きと合わせて探せます。
①「作成」を押し、「予定」を選ぶ。予定を作る画面が開く

②右側の「ゲストを追加」に、相手を入れる。入れると、右に主催者とゲストが並ぶ

③上にある「時間を探す」のタブを押す。比べられるゲストは最大50人

この画面が、記事の最初に載せた画像です。灰色は作成中の予定、緑はゲストの予定を示します。
④予定の日時の欄(日付と時刻)を、空いている時間に合わせて直す
⑤「フィルタ」を押して、「会議室を表示」を選ぶ
仕事用・学校用のアカウントで使うのは⑤です。④の日時を直す操作は、個人のアカウントでも行えます。
空いていた会議室を予約する
①予定を作る画面で、「会議室を追加」または「会議室の予約を追加」を押す。画面にはどちらか一方が表示される
②使いたい会議室を選ぶ
③「保存」を押す。これで予約が完了する
この①から③の画面は、個人のGmailには出ないため、画像がありません。
「時間を探す」で相手の空きが見えるのは、相手があなたとカレンダーを共有しているときです。2章から5章の共有設定が、この場面で効いてきます。
9 同じ時間に重なった予約は、すぐ不承認になる
結論です。同じ時間にすでに埋まっている会議室は、予約を入れた時点で不承認になります。
①繰り返しの予定は、繰り返しのうち半分以上の回で会議室が空いていて、使えない回が8回未満であることが条件
②会議室を使う権限がないと、選ぶ画面で利用不可と表示される
③管理者が設定していれば、不承認になったとき、似た条件の会議室が自動で予約される。一部の仕事用・学校用アカウントだけの機能
管理者がキャンセルを有効にしている場合、1人を除く全員が辞退すると、会議室の予約は自動で取り消されます。
10 社内チャットに貼れる運用ルール案。名前と題名をそろえる
結論です。設定が終わったら、呼び名の決まりをそろえます。公式の規則ではなく、筆者の提案です。そのまま社内のチャットに貼れます。
カレンダー運用ルール(案)
1 会議室の名前は「場所 名前(人数)」の形にする
見本:「本社3階 第1会議室(8名)」「本社3階 応接室(6名)」
2 予定の題名は、頭に種類を【 】で付ける
見本:「【来客】〇〇社 打合せ」「【定例】営業会議」「【外出】直行直帰」「【在宅】終日」
3 使わなくなった会議室の予約は、その予定を削除する運用にする
4 チームの予定は、チーム用のカレンダーに入れる。自分のカレンダーには混ぜない
5 会議室を押さえるときは、先に空きを見てから予約する
この名前の並びは、7章の依頼文にある「本社3階 第1会議室」と同じです。人数は、名前の後ろの( )に入れます。
11 朝から夕方まで。場面ごとの動き方
結論です。場面ごとに開く画面を先に決めておくと、迷う時間がなくなります。これも筆者の提案です。
来客があるとき
題名を「【来客】〇〇社 打合せ」にして、8章の手順で会議室を入れます。保存する前に、空きを見ておきます。
急な打合せが入ったとき
ゲストを追加して「時間を探す」を押し、全員の空きが重なる時間帯に、そのまま会議室を予約します。1人ずつ聞いて回る必要はありません。
在宅や出張の日
前の日までに、勤務場所を入れておきます。会議室が不要になったら、その予定を削除します。
12 ここで止まる人が多いポイントと対処
結論です。うまく動かないときの原因は、時間の経過か、管理者の設定のどちらかです。
失敗例1 会議室を登録したのに、カレンダーに出てこない
全員に表示されるまで、最長で24時間かかります。少し置いてから、もう一度開いてください。
失敗例2 共有したのに、相手の予定が見えない
次の3つを順に見てください。
①相手が、あなたへ共有を渡しているか。共有は、持ち主が相手ごとに設定します
②会社の外の人に渡そうとしていないか。管理者が外部への共有を許可していない場合、会社の外の人には見えません
③管理者の初期設定が「共有しない」になっていないか
失敗例3 「業務時間と勤務場所」が設定に出ない
管理者が有効にしていないと表示されません。6章の依頼文を送ってください。
13 Geminiに頼めるのは、自分の予定づくりまで
結論です。Geminiは、自分の予定を作る補助に使えます。他の人を招く用途には向きません。
Geminiアプリに頼むと、予定の作成、検索、変更、取り消しができます。条件は、ログイン済みであることと、「アクティビティの保存」がオンになっていることです。他の人を追加したり招待したりする操作は、カレンダーの画面で行います。返ってくる答えには誤りが混じることがあるため、作られた予定は自分の目で確かめてください。
14 制約と、うまくいかない前提条件
結論です。ここまでの手順は、仕事用・学校用のアカウントが前提です。
①会議室の予約は、管理者が会議室を登録済みであることが前提です
②@gmail.comの個人アカウントには、会議室を予約する機能がありません。代わりに、会議室用のカレンダーを自分で作って自動承諾にする方法があります。その方法は、昨日の記事に画面つきで書きました。https://up-on.jp/google-calendar/
③次の4点は、公式で確認できていません。Google Workspaceのどのプランから会議室が使えるのか。管理者の共有設定の初期値が、最初から何なのか。業務時間と勤務場所がパソコン専用なのか。Geminiが使えるプランと地域。プランは管理者に尋ねてください
最初の一歩は3つです。
①2章の「予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)」を、3人に渡す
②7章の依頼文を、管理者に送る
③次の会議で、「時間を探す」を1回使う
※2026年10月7日現在の情報です。
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