毎朝おなじニュースを調べて、毎朝おなじ資料に目を通す。出社したらまずChatGPTを開き、いつもの検索を頼む。この繰り返しに、心当たりのある方は多いのではないでしょうか。
実はChatGPTには予約実行という機能があり、決まったタイミングで代わりに動いてくれます。しかもこれは無料版でも使えます。お金を払っている人だけの機能ではありません。
ただし無料版には制約があり、そこを知らずに使うと「思っていたのと違う」となりがちです。この記事では、公式のヘルプページを実際に確認したうえで、無料版でできることとできないこと、よくある失敗、そして何を予約に回すべきかの決め方まで書きます。
この記事は、すでにChatGPTを毎日開いている方に向けて書いています。使い方の入り口ではなく、「知らずに使って損をしないため」の話です。
予約実行とは何か
まずは全体像から書きます。予約実行という名前だけ聞くと難しそうですが、やることは「頼み方を1回決めて、あとは繰り返してもらう」というだけです。設定画面を新しく覚える必要はありません。
チャットで頼んだ作業を、指定したタイミングでChatGPTが自動で実行してくれる機能です。一度「毎朝これを調べておいて」と頼んでおけば、あとは開くたびに結果が届いています。
対応しているプランは、無料版・Go・Plus・Proのすべてです。ここは公式のヘルプページに明記されています。料金の比較表だけを見ると「有料の人向けの機能」に見えてしまいますが、実際には払っていなくても使えます。
ニュースの要約だけでなく、資料のチェックや進捗の確認など、頼める内容は幅広いです。難しい設定はいらず、チャット欄に日本語で頼むだけで作れます。
無料版でどこまでできるか
無料版でできることと、できないことを分けて書きます。
できること。
予約実行そのものが使えます。1日に1回、決まった作業を自動で走らせられます。同時に持てる予約の本数は3本までです。3つのテーマを同時に回すことができます。
できないこと。
まず、正確な時刻を指定できません。無料版で選べるのは「朝」「昼」「夜」のような幅のある時間帯だけです。「毎朝7時に」と頼んでも、その通りの時刻には届きません。
次に、1時間ごとのような細かい繰り返しも無料版ではできません。1日1回までという制限の中でしか動かせません。
つまり無料版は、出社してから開いたときに結果が届いていればよい人には十分です。一方で、決まった時刻ちょうどに届けたい人や、1日に何度も確認したい人には向きません。
具体的な場面で考えてみます。朝いちばんに競合の動きをざっと知りたいだけなら、無料版で足ります。届く時間が7時か8時かは気にしないからです。一方で、朝会が始まる時刻に合わせて資料を届けたい場合は、幅のある時間帯では間に合わないことがあります。この違いを最初に見極めておくと、あとで「思っていたのと違う」とならずに済みます。

なぜ「朝」としか指定できないのか
公式には、無料版の予約は「朝」「昼」「夜」のような幅で動くと書かれています。正確な時刻の指定と1時間ごとの繰り返しは、有料プランだけです。無料版と有料版の差は、使えるか使えないかではなく、時刻をどこまで細かく決められるかにあります。ここを知らずに使うと、届く時間がばらつくのを不具合だと勘違いします。7時に届かなくても壊れていません。無料版はそういう動き方をします。
大事なのは、無料版でも「動くこと自体」は保証されている点です。時刻の幅は無料の枠として決まっている仕様であり、いつか直る不具合ではありません。正確な時刻がどうしても必要になったときに、初めて有料プランを検討すればよい話です。最初から有料を前提にする必要はありません。
よくある失敗3つ
実際に使ってみると、次の3つでつまずく人が多いはずです。
1つ目は、
整理のつもりで古い会話を消して、予約もいっしょに止まっていたというものです。予約実行は、もとになった会話とひもづいています。会話を消すと、そこに紐づいていた予約も止まります。定期的にチャットの履歴を整理する習慣のある方は、ここで気づかないうちに予約を失っていることがあります。対策は単純で、消したい会話の中に動いている予約が無いか、一覧を先に見てから整理することです。
2つ目は、
1日1回という枠を、たいして使わない予約で埋めてしまうというものです。無料版は同時に3本までしか持てません。試しに作った予約をそのままにしていると、本当に必要な予約を作りたいときに枠が足りなくなります。対策は、試すためだけに作った予約には「試用」のような一言をタイトルに入れておき、後で見分けられるようにしておくことです。
3つ目は、
「毎朝7時に」と頼んだつもりが、無料版なので幅のある時間帯になっていたというものです。頼んだ通りに動いていないように見えて、実は無料版の仕様どおりに動いています。正確な時刻がどうしても必要な作業は、無料版では思ったとおりに届かないと知っておく必要があります。対策は、頼むときに「正確な時刻でなくてよい」作業から予約に回し始めることです。
何を予約に回すべきか、決め方
すべての作業を予約に回せばよいわけではありません。次の手順で考えると判断しやすくなります。
まず、その作業を「毎日おなじ頼み方で頼んでいるか」を確かめます。頼み方が毎回変わる作業は、予約には向きません。予約は、決まった内容を決まったタイミングで繰り返すための仕組みだからです。
次に、「結果を見るタイミングが多少ずれてもよいか」を確かめます。無料版は正確な時刻を選べないため、時刻がぴったりでないと困る作業には向きません。逆に、出社してから見られればよい作業には向いています。
最後に、「その作業のために毎回チャットを開いて頼み直すのが手間になっているか」を確かめます。この3つ目がいちばんの目安です。手間になっていないなら、無理に予約に回す必要はありません。
この3つを満たす作業から、無料版であれば3本まで予約に回してみるのがよい進め方です。

応用:メールやSlackが動いたら走らせる予約
予約実行には、時刻を指定する以外の動かし方もあります。メールやSlackで何かが起きたときに走らせる予約です。これはPlus以上のプランで使える機能で、無料版とGoでは作れません。
たとえば、Gmailに特定の相手からメールが届いたときに、その内容を要約してほしいという頼み方ができます。時刻を待つのではなく、実際に何かが起きたタイミングで動くので、「届いたらすぐ知りたいけれど、毎回自分でメールを開いて確認するのは手間」という場面に向いています。
この動かし方には、1時間に30回、1日に720回までという上限があります。1人で使うぶんには、まず届かない数です。ただし人の多いSlackのチャンネルを丸ごと見張らせると、話が変わります。上限に当たるのは、そういう設定をしたときです。
無料版で「決まった時刻に動かす」使い方に慣れてから、必要に応じてこちらの動かし方も検討する、という順番が現実的です。
有料プランに変えるかどうかの判断
無料版で使ってみて、「正確な時刻がどうしても必要」「同時に3本では足りない」と感じたら、そこで初めて有料プランを検討します。最初から有料を選ぶ必要はありません。
月額は、Goが8ドルから、Plusが20ドルから、Proが100ドルからです(2026年8月31日時点、アメリカドル表示)。有料プランに変えると、正確な時刻の指定や1時間ごとの繰り返しができるようになります。同時に持てる予約の本数も、Plusでは5本、Proでは15本まで増えます。
金額だけを見て決めるのではなく、無料版で3本を実際に使い切ってから、それでも足りないかどうかで判断するのが現実的です。使う前から枠を心配して有料に変えても、実際にはそこまで使わないということもあります。
つまずくところ、止まる理由
作った予約は、いくつかの理由で自動的に止まることがあります。
1つ目は、
しばらく使われないままだと自動で止まることです。作ったまま放置していると、いつのまにか動かなくなっています。
2つ目は、
さきほど触れたとおり、もとになった会話を消すと予約も止まることです。
3つ目は、
承認が必要な動きを含む予約が、そこで止まったままになることです。メールを送る、外のデータを書き替えるといった動きが入ると、AIは勝手に進めず、こちらの返事を待ちます。
止まっているかどうかは、いくつかの場所から確認できます。左のメニューにある「Scheduled」を開くと一覧が見られます。会話の中からであれば、右上あたりの「•••」を開き、「See scheduled tasks」を選んでも同じ一覧に行けます。設定から開きたい場合は、Settingsの中のNotificationsを開き、Manage tasksを選ぶと同じ画面が出てきます。
なお、音声でのやりとりの中や、自分専用に作ったGPTの中では、この予約実行そのものが使えません。この2つの場面では、別の方法で作業を頼む必要があります。

やめどきの話
予約実行は作ったら終わりではありません。無料版は3本、Plusは5本という枠が決まっているので、使わなくなった予約はそのままにせず消しておく必要があります。
たとえば、期間限定のプロジェクトのために作った予約や、一度試しただけで結果を見なくなった予約は、枠を圧迫しているだけの状態です。定期的に一覧を開いて、実際に見ている予約かどうかを確かめる習慣をつけておくと、必要なときに新しい予約を作れなくなるという事態を避けられます。
作るときだけでなく、消すときも意識して使う機能だと考えておくとよいでしょう。
ここまでが、1人で設定できる範囲です。
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毎朝じぶんで打っていた一手を、1つ手放してみませんか。今日、ためしに1つだけ予約を作ってみてください。
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