AIに毎回、同じ注文を打ち直していませんか

「結論から書いて」「この資料を前提に」「絵文字は使わないで」。
新しく頼むたび、同じ注文を打ち直す。1回は30秒でも、1日に10回なら5分です。1か月で2時間半になります。

この打ち直しをやめる方法が、Claude Codeには二つあります。
前提を紙に書いて置いておくこと。担当を分けて持たせること。
どちらも設定画面はありません。ファイルを1つ作るだけです。

目次

1 なぜ毎回、説明し直すことになるのか

AIは、前の会話を覚えていません。正確に言うと、同じ会話の中では覚えていますが、新しく開いた会話には何も引き継がれません。
昨日「絵文字は使わないで」と伝えたことも、今日の新しい会話では知りません。

ここで多くの人が、二つの対処をします。
一つは、毎回コピーして貼ること。もう一つは、長い会話を延々と続けること。
前者は手間が増えます。後者は会話が長くなるほど、最初の指示が効きにくくなります。

Claude Codeが用意しているのは、三つ目の道です。
毎回読まれる場所に、変わらない前提を書いておく。

2 前提は、紙に書いて置いておく

CLAUDE.mdという名前のファイルを作ります。
Claude Codeは、仕事を始める前に、毎回このファイルを読みます。公式のドキュメントには「持続する指示」と書かれています。

中身は、いつも口で言っていることをそのまま書けば足ります。たとえば、絵文字は使わない。結論から書く。専門用語を使うときは、その場で1行で開く。1文は40字から60字で切る。

置き場所は二つあります。
この案件だけで効かせたいなら、その案件のフォルダに置きます。
どの案件でも効かせたいなら、自分のホームの.claudeフォルダに置きます。

両方に置いても、片方が消えることはありません。公式には「上書きではなく連結される」と書かれています。作業しているフォルダに近いものほど、後に読まれます。

3 担当を分けると、指示が混ざらない

前提を1枚にまとめると、次はこの問題が出ます。
校閲も、下書きも、調べ物も、同じAIに頼むと、指示が混ざります。「短く書け」と「詳しく書け」を同じ相手に言っている状態です。

サブエージェントは、仕事ごとに分けた担当です。公式の説明では、担当ごとに、自分専用の文脈と、指示と、使える道具と、権限を持ちます。

校閲担当には「誤字を指摘する。書き直しはしない」とだけ教えておく。
下書き担当には「まず3案出す。選ぶのは人」とだけ教えておく。
すると、頼むたびに言わずに済みます。

4 担当は、四行で作れる

ファイルを1つ作るだけです。中身は、nameとdescriptionの2行、そして本文の1行です。

nameは英小文字とハイフンだけの名前。descriptionは、いつこの担当に振るかの説明。この二つは省けません。その下に、その担当が何をする係かを書きます。

保存する場所は、案件のフォルダの中の.claude/agentsです。

ここで一つ、つまずきやすい点があります。フォルダ名が「.」から始まるので、Windowsのエクスプローラーでは新規作成できないことがあります。そのときは、Claude Code自身に「.claude/agentsフォルダを作って、proofreader.mdを用意して」と頼んでください。作ってくれます。

5 呼ばれないときは、descriptionを直す

作ったのに担当が動かない。原因は、ほぼdescriptionです。
Claudeは、依頼文と、この一行と、そのときの文脈を見て、誰に振るかを決めています。つまりdescriptionは、担当の名札ではなく、振り分けの判断材料です。

「文章を見る」では漠然としています。「誤字や言い回しを見てもらうとき」まで書くと、振り分けが変わります。

6 担当は、前の会話を覚えていない

サブエージェントは、呼ぶたびに、まっさらな状態から始まります。公式には「会話履歴や出力スタイルを引き継がない」と書かれています。昨日の話も、さっきの話も持っていません。

だからCLAUDE.mdが要ります。毎回読まれる紙に、変わらない前提を書いておく。担当が何人に増えても、前提は1枚で足ります。

制約も、先に知っておくと安心です。同時に動かせるのは既定で二十人まで。担当がさらに担当を呼ぶのも、既定で三階層までです。人数を増やすほど楽になる、という話ではありません。

7 任せられるのは作業で、判断ではない

AIに任せきりにできる、という言い方をよく見かけます。公式のドキュメントに、それを裏づける記述はありません。

確認をすべて飛ばす設定は、たしかに用意されています。ただし公式には、壊れても困らない閉じた環境の中だけで使うもの、と書かれています。ふだん仕事に使っているパソコンで動かす設定ではありません。

確認の回数を減らす設定についても、こう書かれています。回数は減るが、安全を保証するものではない。

担当を分けて任せることと、見ないで放置することは、別の話です。任せられるのは作業であって、判断ではありません。

8 今日やることは、二つだけ

一つ目。CLAUDE.mdを作って、いつも口で言っている前提を3行書く。
二つ目。いちばんよく頼む仕事を1つ選んで、その担当を四行で作る。

どちらも5分で終わります。明日から、その5分ぶんの打ち直しが消えます。

ここまでが、1人で組める範囲です。どの仕事を任せて、どこは自分で見るのかを決めるところは、全6回・1回2時間のオンライン講座で一緒に進めています。

※2026年9月4日現在の情報です。

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